1:二酸化塩素の発展

人類の二酸化塩素に対する初歩の認識

人類が消毒剤を使って殺菌消毒を始めたのは、19世紀始めからである。

1820年、最初の消毒漂白粉が世に出たあと、我々人類はそれを使って、飲用水の消毒や感染性の傷の治療の面で非常に良い効果を挙げ,殺菌消毒の第一歩を開拓した。

その後、相継いで第二の消毒剤エポキシエタン、そして第三の消毒剤グルタールアルデヒドを発見した。しかし、その後ついに人々が待ち望んだ非常に効果の高い殺菌消毒剤が世に発表されることとなる。これがつまり第四の殺菌消毒剤と呼ばれる二酸化塩素である。

二酸化塩素が誕生したのは1911年のことである。その頃は、まだ二酸化塩素は殺菌剤として使われていなかったが、1940年頃に大量生産ができるようになって初めて、大規模に使われるようになった。1940年に、まず、アメリカのナイアガラの滝の水で飲用水を処理するのに採用され、その際非常に高い効果を発揮したことで、その後急速に全世界に広まったのである。

近年、塩素を使て飲用水を消毒することは、水中の有機物と塩素が置換反応を起こしてトリハロメタンを生成し、この塩素化有機物が体内に蓄積すると、慢性中毒やさらにはガンを誘発する可能性が指摘されているため、世界環保連盟は即座に塩素の飲用水への用を全面的に禁止し、スペクトラム性、強い酸化力に富んだ消毒剤「二酸化塩素」を飲用水の消毒剤として採用するよう提言した。

現在、二酸化塩素は、世界保健機関(WHO)ではA1級消毒剤に挙げられている。世界各国が既に明確にしているように、飲用水の塩素による消毒は、しだいに二酸化塩素にとって変わられるようになっている。最近では、二酸化塩素がSARS予防の重要な消毒剤として挙げられている。

2:二酸化塩素の精製方法

二酸化塩素は非常に爆発し易い気体であり、生産及び使用の際、必ず希有元素気体で希釈しなければならず、同時に紫外線や振動、加熱も避けなければならない。それで、二酸化塩素の精製方法は、世界中の科学者がこれまで長きに渡り解決策を求め続けてきた問題であった。現在では、世界的に用いられる主な3つの精製方法と、その他の精製方法がある。

  1. 塩酸ナトリウムと濃塩酸の化学反応(Kestiog法)
    化学反応方程式は2NaClO3+4HCl(濃)=2NaCl+Cl2↑+2ClO2↑+2H2Oである。しかし,この方法の欠点は,同時に大量の塩素を生み出してしまうこと、生産効率も低くて、同時に環境汚染につながる可能性があるという点にある。
  2. 亜塩酸ナトリウムと塩素の化学反応法
    化学反応式は2NaClO2+Cl2=2NaCl+2ClO2である。この方法は安全性も優れており、毒性による副産物もない。
  3. 蓚酸還元法
    化学反応式はH2C2O4+2NaClO3+H2SO4 =△= Na2SO4+2CO2↑+2ClO2↑+2H2O和2KClO3+H2C2O4=K2CO3+CO2↑+2ClO2↑+H2O。この方法の最大の利点は、化学反応の過程で生成される二酸化塩素の希釈作用によって、生産性及び保存性が高まり、安全に輸送できるようになるという点である。
  4. 亜塩酸ナトリウムと塩酸の化学反応法
    化学反応式は5NaClO2+4HCl=4ClO2+5NaCl+2H2Oこの方法による純度は95%以上であるが、耐久性と耐腐食性のある二酸化塩素発生機を使用して、現場で調合し、現場で使用することが必要となる。
  5. 塩酸カリウムと二酸化硫黄の化学反応法
    化学反応式は2KClO3+SO2=2ClO2+K2SO4優れている点は、二酸化硫黄を用いて、空気汚染を減らすという点である。
  6. 塩酸ナトリウムと亜硫酸ナトリウムの化学反応法
    化学反応式は2NaClO3+Na2SO3+H2SO4==△==2ClO2↑+2Na2SO4+H2O実験室においては、塩酸ナトリウム(NaClO3)と亜硫酸ナトリウム(Na2SO3)をよく用い、硫酸酸化を用いて二酸化塩素を加熱精製している。

3:二酸化塩素の用途

二酸化塩素は、非常に強力な殺菌力を持っているが、人体や動物に対して害がなく、また環境に対して二次汚染等の心配もないため、広く受け入れられている。二酸化塩素は、単に発癌性物質を生み出さないというだけでなく、殺菌、食品の保存、消臭等にも効果を発揮するのである。

二酸化塩素は、さらに漂白にも用いることができる。例えば,パルプを製造するとき、繊維の漂白に二酸化塩素が用いられる。

二酸化塩素の主な用途は、水道水の除菌や小麦粉やパルプの漂白である。

ウィルスに対して、また細菌やランブル鞭毛虫(Giardia lamblia)とクリプトスポリジウム(Cryptosporidium)など、原生生物によって引き起こされた嚢腫と卵嚢に高い効果を発揮する。

1956年から、ベルギーのブリュッセルで、水道水の消毒剤を塩素から二酸化塩素に変えた後、二酸化塩素が広く使われるようになった。

最近では,アメリカニューオリンズをハリケーンカトリーナが襲った際、水に浸かった家屋をカビの危険から守るために二酸化塩素が使われた。中国政府も2006年3月より水道水に二酸化塩素を使用すると発表した。

殺菌・消毒

  1. 飲用水の消毒について
    飲用水を殺菌、消臭、脱色、浄化させる効果が十分証明されてきた。低濃度でも効率よく殺菌する0.5-1mg/Lとすると、一分間で99%の殺菌が可能となる。殺菌能力は塩素の10倍、次塩素ナトリウムの2倍、ウィルス抑制能力は塩素の3倍を越え、オゾンより1.9倍も高い。二酸化塩素は殺菌速度が速く、PH範囲は(6-10),水の硬度や塩分量の影響がなく、長時間殺菌効果を維持し、かつ効率的に原生動物、胞子、カビ、藻や生体膜を消滅させることができ、クロロフェノールとクロロホルムを生成せず、多くの有機化合物を塩化し、それによって水の毒性と突然変異誘発性を減らすなどの多くの特徴を持つ。
  2. 空気に対する殺菌
    空気中に含まれる大量の病気の原因となる細菌を殺菌する。特に、飲食業や食品加工工場の空気には多くの様々な微生物が存在するが、これらの微生物に対して、普通は赤外線滅菌方式が使われる。しかし、工場内の空気は湿度が高いため、紫外線殺菌は効果としてはそれほど理想的とは言えない。しかし、二酸化塩素剤は強力な殺菌力があり、迅速に分解して残留しないため、飲食業及び食品工場などの場所で噴霧し、殺菌・消毒を行うことに非常に適している。そのほか、春や秋の、風邪や気管支炎など伝染病の多い季節には、二酸化塩素を使うと病原菌を死滅させるだけでなく、イヤな臭いも消え、空気が浄化される。したがって、二酸化塩素はSARS予防に非常に理想的な消毒剤として挙げられている。
  3. 厨房器具、設備の消毒
    厨房器具、設備、食器など、もし徹底的に消毒しないなら、食べ物は簡単に汚染されてしまい、食中毒を引き起こす原因ともなる。二酸化塩素を用いて厨房で除菌を行えば、大腸菌,ブドウ球菌を死滅させることができる。
  4.  医療現場では
    外国の医療現場では、二酸化塩素をうがいに用いる。歯肉炎、歯斑菌や口臭予防に効果的であり、座浴と入浴の時に使用すると、様々な病気を防ぐことができる。また結膜炎、皮膚病の予防、消臭などにも効果があり、中国の四川大震災や江西省水害時にその威力が証明されていた。
  5. 養殖水産物・家畜の消毒
    二酸化塩素剤を養殖に使い、魚・エビ・カニ・スッポン等の細菌性やウィルス性の病気に使用することができる。鯉・草魚・鰻・ティラピア等の赤皮、出血性敗血症、腸炎、尾腐れ、水カビ病など。エビ類等のウィルス病、鰓黒病、水かび病、打印病など。カニ類鰓黒病、水腫、腸炎、上岸症、ショックなど。スッポン皮膚化膿症、赤・白点病、出血病、穿孔病など;魚類の皮膚病、眼病などの病気に特有の効果を持ち、水の悪臭除去さらには水質改善、水中の酸素の量を増やす働きもある。

鮮度を保つ

  1. 食品の鮮度を保つ
    二酸化塩素は毒性消毒剤には属さず,一般に使用される濃度が比較的薄いため,果物・野菜・肉類に直接使って殺菌し,鮮度を保つことができる。果物・野菜を少しの時間二酸化塩素溶液の中に浸すと,微生物を殺すばかりか脂肪酸反応もなく,野菜の繊維組織や味,栄養を損なうこともない。しかも二度洗いの必要がない。運搬する際に洗浄が適さない果物や野菜については,それらを固形二酸化塩素と一緒に包装するなら,固形二酸化塩素の気体が長時間にわたってゆっくり放出されるため,滅菌するばかりか,食品の鮮度を保つ作用も期待できる。二酸化塩素溶液に魚・鶏肉を浸すことで,生臭さを消すことができ,微生物の成長をコントロールするのにも有効であるため,貯蔵期間を延ばし,新鮮な味を保つことができる。二酸化塩素を使って鶏卵を処理すると,鮮度を保つ上で同様に効果があり,卵の孵化にも何ら影響がない。
  2. 消臭・悪臭除去
    酸化塩素は,空気中のアンモニアと硫化合物,及び水の中の鉄とマンガン化合物が相互に作用し,空気中のイヤな臭いや,水のイヤな臭いも消すことができる。二酸化塩素溶液を使って冷蔵庫の中を拭くとイヤな臭いが消える。トイレに二酸化塩素を噴霧すると,すぐに悪臭が消える。
    現在,先進国では既に二酸化塩素を殺菌消毒が必要なあらゆる場所で使っている。発展途上国では二酸化塩素の使用に着手し始めたばかりだが,近い将来,二酸化塩素は必ずや私たちの生活の中で必要不可欠な日用品となり,可能性はさらに無限に広がるだろう。

漂白

  1. 紡績 綿糸,麻等天然繊維の漂白
  2. 製紙 パルプの漂白 白さを向上させる
  3. 食用菌 たけのこ等の漂白

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